グレッグ・ブリー
美しさは見る者の目の中にある、という古い諺は、建築家のグレッグ・ブリーにとってもまさにその通りと思える格言です。今に解体作業が入ってもおかしくない建物でも、ブリーは荒廃した外観を見て、その中に潜む美しさを見出だします。プロジェクトが複雑になればなるほど、より良いものになります。
ブリーの両親が購入した、フランスの田舎で1822年に建てられた素朴なキャビンは、3代目の建築家が30年をかけて環境にやさしいコテージに姿を変えました。それにはロンドンのスタジオで作り出した近代的なオブジェを、ルノーのバンのチャネル(Chunnel)を経由してフランスへひとつひとつ運び込むというあくなき努力が必要とされました。
また、英国のテレビシリーズ「Ugly House To Lovely House」でサウスウェールズのある夫婦が住む古い家の改築を任されたとき、壁一面の窓ガラスから入る自然光に満たされた21世紀に相応しい名所に一変させました。