ドゥブロヴニクの見どころ

地元を知り尽くした人物が紹介する、ドゥブロヴニクの見どころ
サン ガーデンズ ドゥブロヴニクのフロントマネージャー、イヴァ・ビジェリック
イヴァ・ビジェリック
フロントマネージャー、サン ガーデンズ ドゥブロヴニク

ツーリズム・マネジメントの学科を修了するため2002年にドゥブロヴニクにやってきてから15年。イヴァはその間、この地を離れたいと思ったことは一度もありません。クロアチアの古き港町に心を奪われたイヴァ。

現在のボスニア・ヘルツェゴビナにあるシロキ ブリイェグからやってきた彼女は、現在トレステノの近くで夫と娘と一緒に暮らしています。サン ガーデンズ ドゥブロヴニク開業当時のメンバーでもあるイヴァは、2009年にフロント業務からスタートし、フロントマネージャーの地位まで上り詰めました。現在は、40名のスタッフからなるチームを監督して担当部署の日々の業務が円滑に運んでいることを確認し、お客様にホテルでの時間を有意義にお過ごしいただけるよう努めています。「特別なご予約や市内での簡単な用事の代行、おすすめのアクティビティのご紹介など、ご滞在中のあらゆるご要望にお応えします」とイヴァは言います。

上空からのサン ガーデンズ ドゥブロヴニクの眺め。アドリア海のほとりで。
すべてはお客様のために

「お客様と話をしている時が1日のうちで最高の時間です」と言います。「チェックインやチェックアウト時は、お客様が何に興味をお持ちなのか、そしてクロアチアでどのようなことを体験されたのかをうかがう絶好のチャンスです。クロアチアやその文化について話すことが多いですね」と語るビジェリック。一つだけ、彼女が何度も耳にする感想があります。「クロアチアでは、何もかもがのんびりしていると言われます」と笑うビジェリック。「慌ただしい大都市からお越しのお客様の目には、クロアチア人は時間をかけて行動し、上質な暮らしを楽しんでいるように映るようです。」

地元のおすすめ情報

イヴァ・ビジェリックとドゥブロヴニクを散策

次のご旅行では、ドゥブロヴニクでその魅力に触れてください。ユネスコの世界遺産に登録された旧市街や、新鮮な地元料理を楽しめるベストスポット、500年以上の歴史を誇る植物園など、「アドリア海の真珠」のおすすめスポットをご紹介します。

ワインと牡蠣を楽しむバケーション

クロアチアのペリェシャツ半島を満喫

そのダイナミックな赤ワインと、塩味が美味しいヨーロッパ産の平たい牡蠣で有名な、クロアチアのペリェシャツ半島。ダルマチア海岸を訪れたら、ぜひ地元の料理を試してみましょう。ドゥブロヴニクから北へ40キロ。ディンガチの険しい石灰岩の断崖にディンガチ ワイナリー(3 Potomje、+385 20 742 034)はあります。1902年に設立されたこのワイナリーは、クロアチア初の統制保証原産地の地名にちなんで名づけられ、設立以来ほとんど姿を変えていません。すぐ下がアドリア海という足場の悪い場所にあるため、電動式の車に乗ることも、機械を使ってブドウを収穫することもできず、ロバを集めてブドウの木の手入れやブドウの収穫を行っていました。ディンガチ ワイナリーのボトルのラベルにロバが描かれているのは、そういう背景があったからです。ディンガチのワインの品質はカリフォルニアのジンファンデルによく似ており、この新世界のジンファンデルは、数世紀も昔のクロアチアのブドウと同種であることが判明しています。

新鮮なシーフードを楽しむなら、絵のように美しい小さな村、ストンへどうぞ。最高級の魚や美味しい牡蠣、塩味のきいたボッタルガをお試しください。ボタ・シャーレ(+385 20 754 482)のデュボ&トミスラヴ・シャーレでボートツアーを手配しましょう。専用のボートでストンの牡蠣養殖場を巡るプライベートツアーです。自分で牡蠣を採って殻を開けることも、手慣れたデュボとトミスラヴにお任せすることもできます。穏やかな青い海の上で、獲れたての牡蠣にレモンを少し絞ってお召し上がりください。

ペリェシャツ半島の絶景。Shutterstock.com

文化の中心地

ドゥブロヴニクの夢のような舞台芸術フェスティバルを体験

1950年から毎年続くドゥブロヴニク サマーフェスティバル(+385 20 326 100)。音楽や演劇、ダンス、詩の朗読、現代美術展、野外映画上映などが、47日間にわたって開催されます。市内中心部のいたる所で、かつての宮廷や要塞、修道院が野外劇場や臨時コンサートホールと化し、ヨーロッパの優秀なアーティストらがソポクレスやシェイクスピア、モリエールなど、クラシック演劇から現代劇まで幅広い作品を上演します。松の木や豊かな緑が生い茂るロクルム島は、ドゥブロヴニクから船ですぐの距離にあり、最も美しいステージと化します。ベネディクト会修道院の古代遺跡に囲まれて野外で楽しむ公演に、観客は心を奪われます。「まるで別の時代の、別の場所にいるような気分になりますよ」とイヴァは言います。

ドゥブロヴニク サマーフェスティバルの公演中、旧総督邸にて Shutterstock.com

多種多様な植物が揃う植物園

クロアチア最古の植物園を探訪

サン ガーデンズ ドゥブロヴニクから車で約5分、グチェティチュ家(イタリア名:ゴッゼ)の旧別荘の周辺に500年の歴史を誇るルネッサンス時代の植物園、アルボレトゥム トルステノ(+385 2075 1019)があります。この植物園は、外国から帰航した船長らがグチェティチュ家に差し出した種を植えてできたものだと伝えられています。「今では世界中の植物がアルボレトゥムに集まっています」とイヴァは言います。

24ヘクタール以上の敷地を誇る園内では、花々やハーブ、シトラスの木々を観賞できます。また、ヤシの木の希少種が数多く植えられており、海の神であるネプチューンの彫刻のそばには鯉の古池があります。イヴァは「背の高い植物が点在する園内は、摂氏35度まで気温が上がる暑い夏には木陰で涼しむのに最適です」と語ります。

この植物園は近年、米国テレビ局HBOのドラマシリーズ「ゲーム オブ スローンズ」でキングズランディングのロケ地として選ばれ、注目を集めるようになりました。「植物園の端には屋根付きのパーゴラが設置された美しい場所があって、海とエラフィティ諸島の絶景が楽しめます」とイヴァは言います。同ドラマのファンなら、そこがキングズランディングであり、レディオレナが惚れ込んだ海沿いの庭園がある所だということに気付くことでしょう。

アルボレトゥム トルステノのネプチューンの彫刻。Shutterstock.com

コーヒートーク

旧市街で地元の人たちとコーヒーを楽しむ旅

「コーヒーをテイクアウトするクロアチア人はいません」とイヴァは言います。「クロアチア人は1時間も座りこんで、エスプレッソを飲みながらおしゃべりをし、楽しいひとときを過ごすのです」。地元の人たちが朝早くから集まる旧市街のメインストリート、ストラドゥンを散策してみませんか。彼らはストラドゥンの店でクロアチアの濃いコーヒー(カヴァ)を飲み、1日の仕事をスタートします。イヴァによると、大通りが混み合う前の朝7時から9時の間がおすすめだそうです。カヴァを楽しみたい方、もう少し濃い飲み物をお求めの方には、旧市街南側の城壁を彫って作られた、こぢんまりしたカフェ「ブザ バー」(9 Crijevićeva Street、+385 98 361 934)がおすすめです。上空または海上からしか見えない場所にあり、​目の前にはエラフィティ諸島と大海原の絶景が広がります。

旧市街の「カフェ フェスティバル」でたしなむコーヒー。写真提供:ゾラン・マリノビッチ