マリア・アニェーゼ・スパニュオーロ
イタリア南部のアプリア地方で育ったマリア・アニェーゼ・スパニュオーロの周りには、常にフルーツやナッツの木がありました。イチジクや桃、アプリコット、アーモンドの香りに包まれたこの土地が、彼女の味覚や触覚、嗅覚を育てたのです。
スパニュオーロに刺激を与えたものは他にもあります。それはイタリア式のアイスクリーム、ジェラート。美味しいジェラートのフレーバーは、チョコレートやバニラ、ピスタチオ、レモンなどの伝統的なものが主流でした。そこで彼女は、自分で新しい味を作ろうと考えました。わずか10歳で、母親のアイスクリームメーカーを使って新しい味作りに挑戦します。スパイスやフルーツ、花などを加えてみると、それまでには味わったことのないフレーバーのジェラートができました。まるで、木々の香りに包まれているような感覚でした。