遡ること 1925年。現代産業装飾芸術のパリ万国博覧会において、アールデコデザインはパリを瞬く間に魅了しました。1926年、ハリケーンによってマイアミビーチが壊滅的な被害を受けたとき、米国の建築家たちはシックなヨーロッパ風のデザインを採用して街を再建しようと決めました。美しいヨーロッパのデザインが、海辺の街をさらに引き立てると考えたのです。
幾何学的な建築デザインは豪華客船をモチーフにしたもので、丸窓を備え、海をイメージしたコーラルピンクやブルーのパステルカラーで彩られています。こうしたデザインに惹かれて、好奇心旺盛な観光客が街のオーシャンフロントリゾートに集まるようになりました。
ドラゴンフライ エクスペディションズが主催するトロピカル デコ ツアーでは、ザ ビルトモア マイアミ コーラル ゲーブルズを出発し、この地区の様々なアールデコ建築に立ち寄り、それぞれの特徴をガイドが詳しくご案内します。
トロピカル デコ ツアーでは、様々なアールデコ建築に立ち寄り、それぞれの特徴をガイドが詳しくご案内します。
数ある見どころの中でも、有名なオーシャンドライブにあるビーチ パトロール本部は、アールデコのストリームラインモダン様式の典型です。ツアーでは、建築家ロバート・A・テイラーがデザインし、1934年にオープンしたこの建物を見学しながら、その随所に隠された航海のデザイン要素をガイドがご紹介します。たとえば、2階の屋外デッキに据え付けられた鉄製の手すりは、船の操舵室を模したものです。
続いて、歴史薫る美しい街並みを眺めながら、デコ ツアーの次なる目的地へ向かいます。1937年に建てられた合衆国郵便公社の建物は、その名もデコ フェデラル様式(フェデラルは「連邦」の意)と呼ばれ、館内には「フロリダの歴史に残る逸話」を描いた壁画が描かれています。これらは1940年に芸術家チャールズ・ラッセル・ハードマンが、公共事業のアートプロジェクトの一環として、米国政府から資金を得て一つひとつ手描きで仕上げたものです。
サウスビーチの建築ツアーは、海岸沿いを歩くことなしには完結しません。ここでは、アールデコ様式を現代風にアレンジした、建築家ウィリアム・レインによる奇抜なライフガードハウスをご覧いただけます。ハリケーンアンドリューがこの一帯を襲い、当時あった一般的なデザインのライフガードハウスが倒壊した後、1992年にデザインされたものです。次は、活気のある大通り、エスパニョーラウェイへと向かいます。エスパニョーラウェイはアールデコ地区に位置していますが、2ブロックからなるこのエリアは、スペインとフランスにある地中海の芸術村をモデルに、1925年に構想されたものです。
ツアーの終着点であるエスパニョーラウェイの「タパス イ ティントス」で昼食をとりながら、訪れた名所について話をしましょう。ここでは小皿料理とサングリアが南国ムードをいっそう盛り上げてくれます。
ザ ビルトモア マイアミ コーラル ゲーブルズやトロピカル デコ ツアーの詳細については、ホテルご予約時にコンシェルジュにお問い合わせください。